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カナイケイスケ

サーカス・アーティスト「金井ケイスケ」、またはパフォーマー「ケイスケ」のページ

2004 06/30

Buon giorno

 今回の僕らの公演先は、ブレシア・コンテンポラリー・サーカスフェスティバル。  実は以前にもこのフェスティバルに、CYRK13というサーカスで出演したことがあるので今回で2回目。前回の思い出といえば2週間のあいだに生ハムメロンを食いまくって、パスタにパルメザンチーズをかけまくって、ピザの食い過ぎで胸焼けを起こしたことだ。 イタリア料理の誘惑に負けないように、今回はちゃんとスポーツマンのための栄養学を読んで来た。パスタはやはりいいらしいが、肉を試合前に食べてもあまり意味が無いらしい。そしてティラミスにも生ハムにもグラッパにも負けないように気をつけよう!  というわけで北イタリア、イゼーオ湖とゼルダ湖に挟まれたブレシアにむけて出発するためパリ・シャルル・ド・ゴール空港に全員集合。  今回のメンバーは他のカンパニーのマネージャーも含めて6人。さっそくチェックインして荷物を預けていたら「ダブルブッキングしたので一人乗れません」と突然エールフランスのお姉さんに言われた。   「こっちは一か月前にチケット買ってるんだぞ!」「フェスティバルは今日から始まるんだぞ!」「そっちのミスだ、なんとかしてくれ!」。とねばったが、「ないものは無い!」と逆に開き直られた。  しかたがないので、一人だけ別便で、ベネチア空港までいって、そこからタクシーで来ることになった。地図で確認したらかなりある。かわいそうに。どう考えても直接行く僕らの方がブレシアに早く着くはずだ。 しかしこのあと、さらに問題が発生し、結果的に彼が一番乗りになる。    直行便に乗れた僕ら5人は無事に、ベローネ空港に到着。と思いきや警察犬が突然メンバーのひとりの所にやってきてクンクンし始めた。人なつっこいのかな?と思っていたら、あっという間に彼は空港警察に囲まれて、取調室へ連れていかれてしまった。  なんだか訳が分からないまま取り残された4人。警察に聞いてもなにも答えてくれないし、連れていかれた彼には会えないし、しようがないのでとりあえず荷物を確認・・・。あれ、小道具が無い。みんな顔面蒼白になりながら荷物をさがす。係の人にも聞くが、もうなにも残っていないらしい。しかも荷物が無くて困っている人は僕らだけでは無いようだ。 無くしものコーナーに行って空港のエールフランスに問い合わせてもらったら、「飛行機に入らなかったので載せなかった」と答えが帰って来た。直接メンバーのフランス人が電話をとって、もう一度聞いたら「載らなかったから別便で送るわ、明日には着くわよ!」といわれた。これにはみんな怒りをあらわにして、「エールフランスのくせに私たちフランス人を敵に回したらただじゃ済まないわよ!」と怒ったら、「次の日の朝一番にフェスティバル会場まで届けます」と素直な答えが帰って来た。でもなにも状況は変わらない。明日の本番に間に合ってくれるといいのだが・・・。  メンバーの一人はえらい遠くの空港に飛ばされてしまうし、荷物は届かないし、ひとりは警察犬とともにどこかに消えてしまうし・・・、次は誰が消えて、なにが無くなるんだろうね、と冗談半分、本気半分でお互いに見合う。そういや取調室に連れていかれた彼はどうしただろうか。 さっそく空港警察に聞いたらあと5分で解放するという答えが返って来た。みんなでホッとする。きっと彼からはなにも出てこなかったんだろう・・・。  5分たって空港警察が僕らのところにやってきた。「彼には反省してもらうので今から20分留置する」。反省?留置?ぼくらが思っていた状況と違うことに愕然とする。  ・・・まつこと20分。だがいっこうに出てこない。結局トータル2時間ほどかかって彼は釈放された。どうやらポケットに、持って来てはいけないものが入っていたらしい。みんなあきれてものも言えなかった。ま、出て来れたので良しとするか。 ちなみにパリのド・ゴール空港で別れ、ベネチアまわりでブレシアに向かったもう一人は、この時すでにホテルに着いていた。   とりあえず、ブレシアのホテルでシャワーをあびて、そしてすぐ自分達の公演場所のお城「カステロ・ディ・ブレシア」に向かう。 町の高台にあり、ブレシアのオレンジ屋根の建物がそこら中に見渡せて、南仏のようだ。でも建物はイタリアンなのでどこか違う・・・。景色にもっと見とれたかったけど、さっそく仕込みにとりかかる。カタコトのイタリア語とフランス語で向こうのスタッフとの舞台仕込みが始まる。  フランス語の単語をイタリアっぽい読みと発音でいくと、結構通じるのがおもしろい。「ヴァ・ベーネ(お願い!)」「ノーグラッツェ(結構です)はイタリア語、あとは適当なイタリアっぽい発音のフランス語でおし通す。同じ舞台関係のせいもあってかウソのように通じる。 ラテン系の国の人たちとコミュニケーションとる時に、フランス語がしゃべれて良かったなと思うのはこういう時だ。イタリア、スペイン、ポルトガル、フランス(そして行ったこと無いけど当然ルーマニア)のラテン語圏同士だと共通の言葉も多いし、なによりノリが似ている。そういえば、夏のフェスティバルなんかもそのためか雰囲気が似ている。  とりあえず仕込みを終えて、イタリア人スタッフと城のなかの野外レストランでピザを食べた。みんなでサルーテ(乾杯)!して、ルコラが乗ったピザをピコラ(中グラスに注がれた生ビール)で流し込む。  とりあえず今日の仕込みはうまくいった。いろいろあったけど終わり良ければ全て良しということで今日一日は「ノ・プロブレーマ!(問題なし)」かな。 あ、そういえば小道具がまだ届いてない・・・、まいっか、ここはイタリア、細かいことは気にしない、何とかなるさ! 明日は本番。お客さんいっぱいだといいな・・・。

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