カナイケイスケ

サーカス・アーティスト「金井ケイスケ」、またはパフォーマー「ケイスケ」のページ

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

味噌とソーセージとカフェクレームとポップコーン

ベルリンでの約一ヶ月の滞在を終え、パリでさっそくジャパニーズな生活を送る。

冷蔵庫の有機味噌と酒粕をフル活用して、みそ汁、三平汁、味噌ポークソテー、味噌シチュー…
脳まで味噌でつかるぐらい味噌漬け食生活。 ほとんど引きこもり状態で日本語しか使わない生活。

そして一週間後。いろいろあって予定変更、また2週間ベルリンへ戻ることに…。

ベルリンに向かう飛行機で、「ボンジュール! あなたサーカスやっているわよね!」 と偶然にも顔見知りの空中ブランコ乗りのフレンチギャルに話しかけられる。

「ベルリンは仕事? どんなことやっているの?ケスクチュフェ?」

「うん、ベルリンはね。あるカンパニーがあってね。えっとサーカスなんだけどね。ダンスもやっててね。んでジャグラーがいてね。それからアクロバットがいてね。みんなで作っているんだけどね。まあ楽しいんだね。なかなかいいんだね…。でね…、それからね…ツアーがね…」
うぉー、言葉がでん!

前日一時間しか眠っていない身体と、一週間味噌漬け生活でほとんど使っていなかったフレンチ脳と、あまり良くまわらない舌で、フランス語をひねり出す。
「えーっと、おーっと、うーっと、あーっと…、」

自由席の格安飛行機で、彼女は僕の隣に座り、約2時間のフライト中いろいろ質問を投げかけてくる。しかし返事をする為に言葉を探すが、なかなか出てこない。

そして、やっとベルリン到着、彼女とも別れホッとする。

駅からバスに乗り換える時に『カリーヴルスト』というソーセージにケチャップとカレー粉をかけたベルリン名物ジャンクフードがおいしい匂いで僕を誘惑…。バスまで時間があったので寄ってみることに。

「カリーブルストとフライドポテト、プリーズ」
と言ったが、おばちゃんに「あんた何言ってるか分からないわよ!」的に怒られ、発音を訂正させられる。 いかん完全になめられている…。 
でも疲れていたので、もうどうでもいいやと、彼女にあわせてドイツ語らしい発音で注文…。3回目ぐらいに、やればできるじゃない!みたいなことを多分ドイツ語でいわれ、なんとかカリーブルストにありつく。
うーん、これがなんでこんなにベルリン子に人気があるのかわからない…。
疑問を胸に単なるケチャップとカレー粉がけソーセージを平らげる。 結局バスを逃し、遠くないし歩いて行くか…、と歩きはじめる。

アパートに着いた時には汗だく…。
重いスーツケースと一緒に歩くと10倍ぐらいエネルギーを消費することを学んだ。

アパートについたら、住民のセバスチャンがお出迎え。基本的にはフランス語で会話。
彼も久々で、フランス語がたどたどしい。しかも風邪で昨日は4時間しか寝てなくて、疲労具合は僕といい勝負。
会話に空白が多く、やたらウイ、ウウイ、ウイウイウイ、ウワイ、ウワイ、イヤー、ヤー、アソー、ソー、オララー、ウララー、ナインナイン、と相づちばかりで、疲労度がさらに増す。

そこに今回のプロジェクトのマネージャーが現れる。
じゃ!と住民のセバスチャンは消え、フランス語のしゃべれないマネージャーと、英語のつたない僕の、二人っきりのちょーゆっくり英会話がはじまった。

睡眠不足と旅の疲れとひさびさのフランス語集中会話と、カリーブルストおばちゃんのドイツ語講座にやられた頭で、不得意な英語での会話。

「僕の…今回の……えっと…、ギャラは、、、ドイツのカンパニー……から払われるの? …それとも本番………をやるフランスの……劇場から…払われるのかな? ちなみに…、税金ってどのぐらい………持っていかれるの? リハーサルと本番は………保険にちゃんとかかるのかな………。僕の質問わかるかな………」とここまでで約5分経過…。

NYからパリに来た友人が僕にくれたお土産『チーズとキャラメルポップコーンミックス』のことを思い出し、彼に勧める。
「なんだこの食べ物は…、NYの連中はこんなもん食ってるのか…チーズとキャラメル…!?」アメリカ人はなんてバカなんだ、と言わんばかりに一口でやめてしまう。

かわりに彼は、僕が来る途中に買ってきた、ケーキとレーズンパンとココアをおかわりして、トースターでパン焼いてバター塗って食べはじめ、最後は冷蔵庫の食べ物をあさって、しっかり2時間話をして、お腹いっぱいで帰って行ったのであった。
おい!何しにきたんだおまえは!!! とつっこむ気力もなく「君と会えて良かった」と感情ゼロでサヨナラする。

一週間、味噌に漬かった脳をカフェクレームに攻められ、カレーソーセージおばちゃんにやさしいドイツ語講座をしてもらい、おいしくひとりで『チーズとキャラメルポップコーンミックス』を全部食べて、「朝起きたらネイチブにエングリッシュが喋れますように♡」とお祈りしてお休みしたのでありました。










| ベルリン | 08:27 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

No title

ううーむ大変そうですなあ。
がんばれフランスにん!(我が家では金井さんはそのように呼ばれています 笑)

| のりえWHOOPS | 2009/03/10 02:57 | URL |

のりえさん

どうも、フランスにんです。
ベルリンの冬の空気は、ちょっと札幌に似ています。しかもアーティスト達がたくましく生き延びていて、札幌のようです。ライブやる場所には事欠きませんよ! 次はベルリンに、のりえ一家で移住したらいかがでしょう!

| カナイケイスケ | 2009/03/13 23:21 | URL |















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://keisukekanai.blog87.fc2.com/tb.php/276-816b4dd2

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT