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カナイケイスケ

サーカス・アーティスト「金井ケイスケ」、またはパフォーマー「ケイスケ」のページ

2005 04/10

空に消えた空中ブランコ乗り

イブが空中芸をやっている最中に転落した。                                                        今日の朝、ホテルの主人が「新聞に空中ブランコ乗りが死亡した記事がでている」と教えてくれた。                               新聞には事故のあったサーカスのカンパニー名は載っていたが、死亡したアーティストの名前は出ていなかった。わかっていたのはそのカンパニーはイブ達CNAC時代の仲間が働いていたカンパニーだという事…。                  僕は公演先にいて、特に仲間とはその話はせず、昼の本番に集中する事にした。                                        イブの悲報を知ったのは公演後すぐの事だった。取り乱したマネージャー、ジェフからの電話。「イブが死んだ…」                                                              ジェフが僕らのマネージャーになったのはそもそもイブがきっかけだった。    彼らはニース時代からの幼なじみで、ジェフはイブ達の新しいカンパニーのマネージメントをやるつもりでパリに出て来た。結局そのころ彼等のカンパニーはまだ準備段階で仕事にならず、僕らのマネージメントを結局やることになったのだ。                                           その後もジェフとイブとは仲良しで、飲みにいったりパーティーがあれば一緒に騒いでいた。                                  そして突然の悲報…。                            ジェフからの電話のあと、僕と相棒と照明家の3人で近くの湖に出かけた。    歩きながら亡くなったイブ、そして彼等…、この一年で亡くなった3人のサーカスアーティスト達の事を考えた。そのうちの2人は去年空中芸の授業中に亡くなったエレーヌと僕と同級生だったエリックだ。イブも含めてみんな同じ学校出身だ。一学年15人程の学校の中で友達にならないはずがない、みんな一緒にばか騒ぎした仲間だ。                                    アルプスの大自然の中を歩いていると、人間の死なんてちっぽけなものに感じられる。そのうちどうせ僕達も、この宇宙の大きな営みの中に同化してゆくのだろう…。                                      サーカス学校で、イブはお祭り好きでいつもどこか存在がシャレていた。カラフルな色の服が好きで、それがまた彼によく似合っていた。人の手や肩に手を置いて話をするのが彼のクセで、ぼくにもよくやった。田舎の学校だったので週末にはどこに出かけるでもなく仲間うちでよくダンスパーティーをしたが、彼と一緒に朝までクタクタに踊った事をおぼえている。この世にいないことがわかっていても、そのうちまたどこかのフェスティバルのパーティーで踊っているイブに出会いそうな気がする。そしてエリックもみんなそこにいるんだろうな。                                                        ニースで生まれ育ったイブは、カンヌからそう遠くないところにあるコンポリエ・サーカス学校でサーカス芸の基本を学び、パリのロニー・スー・ボワ・サーカス学校に入学。ロニー校では仲間達と空中ブランコチームを結成し、トラペーズ・ヴォロン(飛び手、つかみ手に分かれ複数でやる空中ブランコ)の練習を開始。CNACに入ってからもそのチームを続け、卒業後に空中ブランコ乗りだけのカンパニーを開始。最近はそのうちの彼を含む何人かのメンバーで、別な空中ブランコのカンパニーの作品に出演。                                                                        2005年4月3日 公演中に、空中に舞い上がったまま空の彼方に消えてしまった…。                                                                             そのうちまた遊ぼうな、イブ。

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