カナイケイスケ

サーカス・アーティスト「金井ケイスケ」、またはパフォーマー「ケイスケ」のページ

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アイスランドウイルスにやられましたパート2

●今回の公演功労者<オリヴィエ>                                                           ディレクターオリヴィエは観客席から起きた最初の笑い声で、すべての緊張から解放されたらしい。                                                                     それもそのはず、僕らのアイスランド公演の企画から、宣伝、スポンサー集め、経理までほとんどひとりでやったのだから…。しかもアイスランド自体が彼いわくアメリカ的で、ヨーロッパよりも、アメリカ、メキシコ、カナダか同じスカンジナビアの国からしか文化はこないし、映画もアメリカ映画がほとんどで、イギリス以南のヨーロッパ映画は皆無らしい。そんなところに無名で、フランス人と日本人のぼくらの公演で、ひとが集まるかどうかすら怪しく、スポンサーも集めるのに苦労。     何とか集まったスポンサー達も最初は半信半疑で、オリヴィエはプレッシャーと一抹の不安を覚える。                              しかし公演一週間前には300席を完売、招待客の為に椅子も増やしたが、結局入りきらず、追加公演をすることになった。(ちなみに集まったスポンサーは地元企業とフランス関係。余談ながら公的機関も含む地元日本関係にも相談したが駄目だったらしい。ごめんねオリヴィエ)                                                                追加公演も満員御礼で、観客たちも満足だったようだ。特に子供達の笑い声が忘れられない。オリヴィエはもちろん、はち切れんばかりの笑顔だった。                                              僕は公演前は風邪引いてフラフラで、公演後も腹痛に襲われたり、熱があってぼろぼろグシャグシャだったけど、火山見学と温泉に無理して行ってしまった。     どちらも当然日本にあるものなので、日本に帰った時にでも行けばいいのだが、せっかくのオリヴィエの誘いなので「ウイウイ」と調子良く言ってしまった。                                           案の定、火山見学のあとで食べたホットドッグが原因で腹痛を起こし、この時ばかりは、ホテルまで今すぐ連れてってくれー!と唸ったが「残念だけどホテルは温泉とは逆方向だよ、ケイスケ。お湯につかったら治るよ」とオリヴィエにいわれる。                                         僕は「おいおい、ホントかよっ、それ!」と思わず日本語で叫ぶが、まったく通じない。                                    当然僕の心の叫びは彼らに届くはずは無く、温泉<ブルーラグーン>まで連れ去られてしまった。                                                                      さすがヨーロッパリゾート! 大自然に囲まれた巨大な露天風呂風の温泉では、みんな一応水着着用で混浴だ。なのでツアーメンバー唯一の女性/セシルも水着で一緒だ。                                    そしてカクテルを頼むとリゾート宜しく、どこにいてもボーイが運んでくれる。                                        メンバー全員でお湯の中で乾杯!                                                             不思議な事にそのあと僕の腹痛も寒気も治まり、かなり復活した。                                              滞在中もなにかと話の合うディレクター/オリヴィエとはお湯の中でいろんな事を話した。                                   彼が世界中を旅した事や、以前インドネシアのアリアンスのディレクターだったこと、タイにもすんでいた事、パリの高校の先生だった事、学生時代に古代文明にはまっていた事等、年も聞いたら僕の一つ上だった。 文化を愛し、旅を愛する素敵なやつだ。 もしも自分が女性だったら恋に落ちるところだ…うふ…、おっとあぶない、長湯してしまったかな…。                          とにかくそのぐらい彼はいろんなことが見えていて、なにより文化にかける情熱がある。次はヨーロッパからラップとジャズのグループを呼びたいと言っていた。                                                                               あと一年程でアイスランドでの彼の任期が終わるらしい。普通ならもう本国勤務らしいが、タイのアリアンスへ転任希望を出してるらしい。たぶんうまくいきそうだといっていた。またぜひ会おう、と彼と約束した。                                                      タイへの転任も僕との再会も彼なら大丈夫だろう…。先生の言う事は全て正しいのだから…、ましてや彼は校長先生なのだから…。                                                       <帰国後>                                 パリに戻って来た。                             ここには温泉もないし、クジラを捕獲して食べる文化もましてやアイスランドウイルスもないけど、自分の街に帰って来た気がする。                                                      特に僕のすむ界隈は、地下鉄も汚いし、いろんな人種と悪ガキもいっぱいいるけど、なぜかホっとする。言葉で表現しきれない、なんかいいかげんなのにあたたかい雰囲気がここにはある。                             オリヴィエがパリの似たような界隈で、以前先生をやっていたときのはなしをしてくれた事を思い出す。                             生徒の70%がイスラム教、あとは様々な宗教、人種もアラブ、アフリカ、インド、東ヨーロッパ、ベトナム系などさまざまな生徒がいて、その時の事をおもしろおかしく語ってくれた。                              危ない目にもあったらしいがその経験自体もいい思い出だという。かれが他の国を旅してまわったり、働いたりするのも教員時代の彼等との出会いが強烈だったせいでもあるし、理解したいというところもあっただろう。                                                     ぼくはアイスランドウイルスと帰りの飛行機の気圧のせいで耳の調子がいまだおかしい。まだ熱もあるみたいだ。                                                               今年は色んな国を公演して、色んな人と出会いがあるはず。こんな経験はそう何年も続くはずはないし、そろそろ他の人達が売れて来るはずだ。でもそれまで、あと一年はこの身体に頑張ってもらわないと。                                                                       ああ、ちょっと頑張り過ぎたようだ。やすみます。  

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