カナイケイスケ

サーカス・アーティスト「金井ケイスケ」、またはパフォーマー「ケイスケ」のページ

2009年05月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年07月

| PAGE-SELECT |

≫ EDIT

川の字で寝る 自宅出産の記録

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

2009年6月3日22時20分、娘が生まれた。

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

その出産を振り返ってみる。 

自分のお腹を痛めたわけではないけど、この出産の準備の為に、オトコとして出産に参加した。 

もともと仕事もフリーだし、その場まかせの人生。しかも自宅で出産することに決めたので、やる事もいろいろある。
フランスから一足先に、日本に戻った奥さんに、出産一ヶ月前から合流。臨月の胎教から参戦。完全協力体制で挑んだ。

自宅出産については、否定的な意見ももらったし、自分たちもいろいろ考えた。
でも、母親から
「子供のころは近くに病院なんてないから、出産はお産婆(おサンバさん)を呼ぶのがあたり前。近所でお産があると、周りの子供達が呼ばれて、みんなでお産を見学したものよ」という話を聞き、「そっかー、それが昔の出産だったんだー!」
と納得…。そういう母親も自宅で生まれている。子供のころから出産の瞬間を何度も見ているらしい。

日々、形を変えていく奥さんのお腹に話し、本を読み聞かせ、耳をそばだて、お腹の子供と公園で毎日散歩する日々を送り、ある水曜日の夜明けのこと。

「うぅ、はじまったかも…」
奥さんが僕を起こし、痛みを訴える…。本格的な陣痛がやってきた…。

僕らが出会った、72歳のおサンバさんは陣痛の時のマッサージを教えてくれたので、それを実践。

陣痛ってずっと続くわけではなくて、痛みの波がやってくるものだというのをこのとき初めて知った。 うちの場合は最初10分間隔からはじまった。

「うおぉー、来た来たー!びっぐうぇんずででぇぃー」とばかりに、奥さんの腰からおシリにかけて陣痛マッサージ。45秒ぐらいの痛みの波が何度も襲う。
さっそくお産婆さんに電話すると「あ、そのぐらいならまだまだ大丈夫。もっと間隔が短くなったらまた電話ちょうだい」と言われる。

次第に10分間隔から時には20分、30分と、間隔が空いていく。
「この人は時間のかかる人ね。陣痛と陣痛の間も喋れなくなるぐらいになったら、また電話して」そう言って診察したお産婆さんは帰っていった。ふーんそういうもんか…。

もしやビッグな波は今日、ウェンズデーじゃなくて、チューズデーにくるのか…。

そしたら、夕方からきたきたきたきた、イタタタタ!
 
ビッグだ…、しかもいままで見たこともない、大きな波が、「10分、8分、5分、3分、2分間隔!!!」伝説の波はやはり水曜日にやってきた!ドドォーン、ザッパーん!
(分からない人は映画ビッグウェンズデーを参照)

いろいろ痛みに耐える為の体勢を試した結果、「あぐら」が彼女の痛みを耐えるベストポーズに。
まるで、明日のジョーのセコンド、丹下談ペイのように、あぐらをかいた奥さんの背後にぴったりくっついて「ジャブだ、フックだ、ジョー!そんなんじゃ蚊も殺せねーぜー!」とマッサージして応戦。

陣痛の時は電気ショックを耐えるかのように、彼女の体に力が入る。そしてそれが遠のいているウチに、力の入った腕、足などをマッサージ。
10時間以上、陣痛を耐えてる奥さんはかなり消耗。陣痛が去っているあいだ、そのままの姿勢で居眠りを始める。その身体を倒れないように支えつつ、固まった筋肉を揉みほぐす。

「ジョー、いい感じだぜ。このまま最終ラウンドまでいったらお前の勝ちだ。KOは考えるな、判定に持ってくんだ…」とぶつぶつ奥さんに囁きながら水を飲ませマッサージ。いつ終わるとも知れない陣痛との戦いに、こちらもヘトヘト。お産婆さんが来ない。どこかでサンバでも踊っているんだろうか。

ほどなくしておサンバ到着。
「お待たせしました。歳でねー、道間違えちゃった」と冷静さを装いつつも、陣痛に苦しむ妊婦の姿を見て焦りが見え隠れする。おサンバは着いたが助手が着かない。どうやら僕がおサンバさんの助手になるのかな…。

奥さんは出産の体勢に入り、お産婆さんは息み方をかんたんに指導して、自分の準備を大慌てでしている。 
僕が、参道出口を押さえて、マッサージもすることに。
「はい、いきんでー、フー、」

奥さんが息を吐くたびに砲弾のようなものが、参道出口の僕の手を押してくる。「え…? これって赤ちゃんの頭…? お、お産婆さん、赤ちゃんの頭が近いですよ!!!」
しかも気づいたら破水をしていた。

凄いパワーだ。頭がぐいぐい押してくる。奥さんと、お腹の赤ちゃんの、出たい!出したい!というエネルギーを感じる。これぞ生命の神秘!

準備の終わったお産婆さんが、僕と交代する。「はいはい、頑張ってね。ふー、ふー」
すると赤ちゃんの頭の先端が見え隠れする! 髪の毛じゃん!!!
「もう少しだよー」

ツルッ、ずるずるースッポン!

あっっという間もなく、頭が半分見えた瞬間、赤ちゃんがツルッと回転しながら出てきたー! 
うぉー、コークスクリューパンチー!!! 

それをすかさず、お産婆さんがハッとキャッチしたら、ほいっと、奥さんの胸に放り投げる。
おぉ、ハットトリック!

つるっつるの玉のような女の子が現れた。父ちゃんなみだチョチョ切れ、奥さんもボロボロ泣いている。

頭が見えてからもっと時間がかかるような事を聞いていたし、初産の大変な話を聞いていたのだけど、驚きの早さ。
2回目の陣痛(10分間隔)がきてから6時間ほどで生まれたのだから、安産といえるだろう。

そしてその日の夜はそのまま、出産をした布団の上で、奥さん、赤ちゃん、僕と、川の字になって寝る。 昨日までは二人だったのに、今日から三人。

その日は赤ちゃんの寝息を聞きながら、心地よい疲労のなかでいつしか眠っていたのであった。


mino2.jpg



早く大きくなって、お父さんとデートしておくれ、シルブプレ♡


| 未分類 | 16:52 | comments:46 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT |